全身麻酔で悪夢を見ないで済む方法はありますか?
2006年 02月 28日
数年前に流産をして、そのときソウハをするのに全身麻酔だったのですが、
ひどい夢を見てうなされながら目が覚めました。
あの夢は鮮明に覚えていて思い出すのも恐ろしいのですが
こんどまた全身麻酔を受けることになってしまいました。
あのような夢は二度と見たくないのですが・・・
薬があわなかったのでしょうか?
それとも体質的なものでしかたがないのでしょうか?
A;
辛い経験をされたのですね。
でもきっと次はそんな夢は見ないですむはずです。
「過去に全身麻酔を受けた時に悪夢を見たことがある」という患者さんには
自分も数名お会いしたことがあります。
皆さん、その夢は大変辛かったのだとせつせつとお話ししてくださいました。
あなたと同じ思いをしている方は少なからずいらっしゃいます。
そのような方に自分は二度目の全身麻酔をすることになった訳ですが
また悪夢を見てしまった、という方はいませんでした。
全身麻酔のときに悪夢を見るのは体質ではないのです。
恐らく原因は、「悪夢をみやすい麻酔薬」を使ったことが原因です。
極彩色の悪夢を見やすいと言われている麻酔薬があるのです。
「濃い赤と緑のカーテンがゆらゆらと風に揺れているのが見えて
とても気持ち悪くて心底恐ろしい感じがした」などというのが
この薬による悪夢の典型です。
そんな薬がなぜ使われたのかと言うと、利点もあるからです。
手術と麻酔の両方を1人の医師が行う場合
(流産手術や子宮ポリープの手術、体外受精の採卵術などが多いようです)に
「麻酔に手がかからないで済む」という利点のために使われることがあるのです。
麻酔を専門とする医師が麻酔を担当する場合には、
この薬を使わなくても十分に安全で質の良い麻酔を行えることがほとんどです。
次の手術の麻酔担当医に、
「以前の全身麻酔の時にに悪夢を見ました。
恐らく薬が原因と言われたのですが、
今回の麻酔では悪夢を見るような薬はできれば使わないでください」
と、伝えてください。
そうすることで、きっと悪夢を見ずにすむことと思います。
最近の他の麻酔薬は、むしろいい夢を見ることが多いようですよ。
安心して、麻酔を受けてください。