帝王切開中の吐き気はどうしておこるのですか?
2008年 06月 25日
帝王切開の最中に、気持ち悪くなりました。
原因は何なのでしょうか?
A;
局所麻酔(腰椎麻酔や硬膜外麻酔)での帝王切開では、
手術中に吐き気がでることがしばしばあります。
お辛かったこととは思いますが、心配要らないものがほとんどです。
ご質問の「原因」ですが、吐き気がでたのがいつかによって
原因はだいぶ変わってきます。
「麻酔が終わった後から赤ちゃんが生まれるまで」に出る吐き気は主に、
麻酔のために血圧が下がることが原因です。
妊婦さんはそうでない方に比べて麻酔による血圧低下が出やすいのです。
ただしそれに備えてお薬(血圧を上げることで吐き気を根本的に治す薬です)は
すぐ使えるように準備してありますし、
使えばすぐに治ることがほとんどですので、
心配しないで「気持ち悪いです」と伝えるようにしてください。
「赤ちゃんが生まれてから手術が終わるまで」の場合には、
後陣痛あるいは子宮への刺激が原因となることが多いようです。
子宮というのは刺激されると吐き気がでやすい臓器なのです。
出血を止めるために強い後陣痛を薬で人工的に起こしたり、
あるいは子宮を持ち上げたり刺激したりするので
吐き気がでることがあります。
これには吐き気止めの薬を使うこともできますし、
あるいは赤ちゃんが生まれた後に、眠る薬の点滴を使うと
吐き気も感じずに眠っている間に終わることがほとんどです。
「手術が終わってから」の場合には原因はさまざまです。
多いのは、子宮への手術の刺激がまだ残っていること、
後陣痛を起こす薬を引き続き使っていること、
麻酔薬の影響(特に硬膜外の管から薬を注入して
術後の痛みを取っている場合)などです。
吐き気への対処は状況によって変わりますし、
まずは担当の先生とご相談することをお勧めします。